7の巻~『プレゼンは目線できまる』
今回はこれまでの本と比較するとえらい実践的な本になるが
「プレゼンは『目線』で決まる」著:西脇 資哲
の感想文を書こうと思う。
プレゼンは「目線」で決まる―――No.1プレゼン講師の 人を動かす全77メソッド
- 作者: 西脇資哲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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◆なぜこの本を選んだか
本書はプレンゼンテーションに関する基本的な技術をつづった本で、私がこの本を選んだのは、お客様の前でプレゼンテーションをする機会があったからである。
現在はそのプレゼンも無事終わり、ほっとしながらこのブログを書いている。
せっかくなので今回は、本の内容と僕が実践した実際のプレゼンを比較をしながら、感想をつづるスタイルにしようと思う。
◆本の内容について
この本はプレゼンを「スライド」「シナリオ」「トーク」の三ステージに分解し、それぞれに対して解説を行っているのだが、私がこの本を読み始めたときはすでに「スライド」の締め切りが完了した後であり、この本の内容を反映することができなかった。
なのでスライドの部分は次回以降のプレゼンに反映していきたいと思う。
まずそもそも論として、プレゼンの目的は何なのか。
「話すこと」や「伝えること」はプレゼンのゴールではありません
ズバリ、「相手を動かす」ためです
その目的を達成できなかったのなら、そのプレゼンは「失敗」だったと断言していい。
これは全くもってその通りで、この認識がスライド作成時の僕には足りてなかったと思う。ここは真摯に反省したい。
ただ今回のプレゼンで僕は二冊の参考文献を紹介したのだが、幸いなことに一人の方が早速それをアマゾンで注文したと僕に報告してくれた。おそらく僕のプレゼンに興味をもってくれたからだと思うが、これは本当にうれしいことであるう。
プレゼンに不可欠なたった1つのものがあるとすれば、それは「かっこいいスライド資料」でも「なめらかなトーク」でもなく、視線誘導である
本書の要旨である。次回以降はもっと意識してスライド作りたい。
あなたのプレゼン中に、聞き手がよそ見をする最大の要因は何だと思いますか? それは間違いなく「手元の資料」です。 私は原則として、スライド全体をプリントアウトしてお配りすることはしません
今回は主催者の希望で配布されてしまったため、実践できなかった。ただし、仮に実践したとしても後ろの席の人はスライドを認識することが難しかったと思う。
スライドの文字を大きくすることは当初から意識していたのだが、配色については失敗だった。印刷の色とプロジェクター使用時の色がイメージとずれており、本番ではかなり見づらい配色となってしまっていたのだ。
本番時に会場を暗くせずにプレゼンを行ったことが原因の一つであるのだが、そのような場合にもはっきりみえるように、可能な限り濃い色を使用するように次回以降は注意したいと思う。
また、ある人はレーザーポインタを使います。しかし、私はこれも使いません。便利な道具であることはたしかですが、視線誘導には不向きな点が多いのです。 残念ながら聞き手は、レーザーが当たった先の文字をほとんど見てはくれません。では、何を見るのか? ほとんどの人は、レーザーポインタの光そのものを目で追っています
これは実践済み。
(スライドに※私注)あなたが話を伝えたあとに「相手が起こすべき行動」を入れる
そこそこできていたと思うが、今後も改良の余地があると思う。
PowerPointを使うのであれば、「メイリオ」という書体をおすすめします
このアドバイスは要注意である。作者が言う「メイリオ」のメリットについては概ね同意なのだが、実践したところ以下のデメリットがあるのだ。
・メイリオでは斜字体が使えない。
・数式エディターでは「メイリオ」が対応していない。
特に二番目は、僕は仕事柄、数式エディターを使うことがよくあるので影響が大きい。今回は本文はメイリオ、数式エディター中は、ゴシック体となり、全体として書体がバラバラになってしまった。次回からはゴシック体で統一しようと思う。
数字は全角より半角のほうが見やすい
個人的には違いを感じないが実践済み。
slideshareの画面をパッと見たときに、「これはよさそうだ!」と興味を抱かせるスライドに共通しているのは、タイトルスライドにインパクトのある写真1枚が全面配置で大きく使われている
「DollarPhotoClub(ダラーフォトクラブ)」(https://jp.dollarphotoclub.com/)です。日本語版サイトもあるので、英語ができない人でも安心して使えます
今回は使用しなかったので、次回以降の使用を検討。やはりデフォルトで使える絵だけでは少ししょぼい。
相手を動かすのに必要であれば、どれだけでも「不公平な」見せ方を取り入れていくべき
だからこそ、最近の優秀なプレゼンターのグラフは、(・・・略・・・)ご覧のとおり、横軸の時間(年)だけは数字を残しつつも、縦軸には何も数値を示していませんし、出典元を記載しないケースも珍しくありません
言いたいことはわかるが、数字にうるさい職種に従事しているので、数値を省略すると怒られそうな気がしている。実践は相手を使い分けてになると思う。
前半の3割の時間を「課題提起」にあてています
課題提起というのは、「私のプレゼンを聞いたほうがいいですよ」ということを相手に説得する行為
本番でも「課題提起」の時間は設けたが、3割には達していなかった。
すべてのプレゼンで3割の時間を「課題提起」に充てるのは多いと思う。
なので例えば相手が自主的に参加しているプレゼンの場合は短くして、逆にこちらから持ち掛けたプレゼンでは3割設けるといったメリハリをつけて調整するのが良いのではないか。
ただし、唯一気をつけてほしいのが、スライドが切り替わるときに「はいっ」という掛け声(のようなもの?)を発する人です
これを直す方法は1つしかありません。「スライドAについてのトーク→スライドBに切り替え→Bについてのトーク」ではなく、「Aについてのトーク→Bへのフリ(導入)→Bに切り替え→Bについてのトーク」の順で話ができるようにトレーニングをする。
本番のプレゼンの後半部では実践できていたかと思うが、前半はスライドの暗記が足りなかった。
これは単に暗記の努力が足りないという点と、前半の導入部分の流れが思ったより一本道になってないため覚えづらい、つまり話の流れに不自然な点が残ってしまっている点の二つの原因があると思う。
後者の点は重要なので、次回は構成検討時により注意したい。
7割は聞き手に目を向けなくていいのです
ある程度の広さの会場であれば「会場の中央後方」に視線を定める
余裕が出てきたら、ときどき視線を左右前後に動かすとさらに安定感が増してきます
会場を縦横に4分割し、それぞれに順次、視線を向けていく
手前の人を少し見すぎたので、ここは反省点であろう。
◆どう実生活に反映させていくか
感想部にほとんど記載してしまったが、今回の反省を次回に生かすということにつきると思う。
8月にお客様の目の前でプレゼンを行う機会が再度あるということなので、そこでは反省を生かしたい。
◆その他
僕は外資系の会社に勤めているのだが、プレゼンがうまい人がほんとに多いと思う。
これは外人相手にプレゼンをすることが多く、コミュニケーションの難しさをよく知っているからだろう。
言語が異なるのもさることながら、文化や制度の違いも踏まえて説明しなければならないので、ぬるいコミュニケーションでは伝わらない。上司と話しているとそれを常々感じるので、彼からはより多くを吸収したいと思う。