18の巻~『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第3版)』
今回はマクロ経済学の本です。
- 作者: N.グレゴリーマンキュー,N.Gregory Mankiw,足立英之,石川城太,小川英治,地主敏樹,中馬宏之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 単行本
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注)自分が読んだのは第3版でしたが、第4版がでているそうです。
◆なぜこの本を選んだか
最近マクロ経済を深く学んでおきたいと思っていて、それは新聞やニュースでマクロ経済指標を見たときに、将来の景気動向を直感的にとらえられるようになりたいと思っているから。景気が悪化傾向にあることを知らずに大型投資をすれば失敗する可能性が高まるし、最悪の場合は倒産ということになりかねません。今後自分が会社の中で権限をある地位に就く前にしっかり理解しておきたいと思っていました。
自分の就職直後にリーマンショックが起こって多くの企業が倒産するのを見てきたというのが上記の動機の原体験といえるかもしれません。
◆本の感想および今後の実践について
教科書的な本であるので、用語や言葉の定義面での学習が多かったです。
通貨量と物価の関係について
手持ちの貨幣量を減らすことによる費用を、インフレーションの靴底(シューレザー)コストと呼ぶ。
インフレーションは亜企業が支払わなければならないメニューコストを増大させる。
物価は貨幣量に対して長期的に中立であるから、基本的には経済に何の影響も与えない。しかし上記の二つのコストは明確な悪影響であるため、中央銀行は物価が短期間で大きく変動するのを防がなくてはいけない。
インフレと税金の関係について
インフレ率をゼロにする以外にも、本節で論じた問題を防ぐ方法がある。それは、税法の物価スライド制(インデクセーション)である。すなわち、税法を書き直してインフレーションの影響に対する補正を組み込めばよい。たとえば、キャピタルゲイン課税の場合は、物価指数を用いて購入価格を調整し、実質利益のみに課税するように税法を変更する。
インフレにより実質課税率が上がってしまうことに対する対策。キャピタルゲイン課税に対して、日本でこのような調整がされたことは自分の記憶の限りではないですね。
為替と貿易の関係について
開放経済においては、財政赤字によって実質利子率が上昇し亜国内投資に対してクラウディング・アウトが発生し、ドルが増価し、そして貿易収支が悪化する。
貿易政策は貿易収支に影響を及ぼさない。すなわち、輸出や輸入に直接に影響を及ぼす政策は、純輸出に影響を及ぼさない
自分が勘違いしていた点。双子の赤字は、本来因果関係のない二つの赤字が同時に発生したことが問題だと思っていたんだけど、財政赤字は貿易赤字を引き起こしやすいという構造的因果関係がマクロ経済学の理論によって導き出せる。
貿易政策と貿易収支の関係については、為替変動がオフセットしてしまうため意味がないということになります。
◆その他
何回かマクロ経済は学習しているんですが、いまいち直感的な知識として定着していません。繰り返し取り組みたいと思います。
作成時間:60分